米Novellは米国時間3月20日,同社がユタ州で主催するカンファレンス「BrainShare 2006」において,企業のサーバー向けLinux「SUSE Linux Enterprise 10(SLES 10)」を発表した。オープンソースの仮想化エンジン「Xen 3.0」を採用。今夏より提供を開始する。

 SLES 10では,仮想化技術,拡張性,アプリケーション・レベルのセキュリティ機能,デスクトップ環境における使いやすさなどを向上した。Xen 3.0に完全対応しているため,「複数のワークロードを1台のサーバーに整理統合できるほか,アプリケーションやシステムの効率性を向上できる」(同社)。また,Linux用セキュリティ・ ソフトウエア「AppArmor」を統合しており,インフラ保護のためのセキュリティ・ポリシーをすばやく導入できるという。

 さらに,「Cluster File System 2」「Enterprise Volume Manager」「Heartbeat 2」といったクラスタリング・サービスを実装することで,可用性に優れたストレージを提供する。

 Novell社会長兼CEOのJack Messman氏は,「SLES 10はオープンな企業を実現するためのプラットフォームだ。データ・センター,ワークグループ,デスクトップ,セキュリティ,身元情報やリソース管理など,企業が最も重視する分野はすべて、オープンソース技術を基盤としている」と説明する。

 同社はまた,米Dellとの提携を強化し,Linuxを搭載したDell社の「PowerEdge」サーバー向けに「ZENworks 7 Linux-Dell Edition」を提供すると発表した。ハードウエア,OS,アプリケーションの導入や管理と保守を,一元的に行える。4月より提供を開始する予定。

 そのほか,同社はLinuxベースのコラボレーション製品の拡充も発表した。「Open Workgroup Suite」では,サーバーおよびデスクトップ・プラットフォーム,管理ツール,電子メールおよびコラボレーション機能,生産性ソフトウエアなどを提供する。同期技術を手がける米IntellisyncやカナダのResearch in Motionの協力を得て,同社のコラボレーション管理ソフト「GroupWise」のモバイル機能の強化も図る。

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