米Red Hatは米国時間3月14日,Red Hatにおける仮想化環境の実現を目指す戦略「Integrated Virtualization」と製品ロードマップを発表した。同社は,同戦略を通じて顧客が仮想化技術を容易に導入できるように,米Advanced Micro Devices(AMD),米Intel,米Network Appliance,米XenSourceと協調する。また,顧客とパートナにツール,サービス,技術プレビュを提供する。

 同社は,同戦略を通じてオープンソース・コミュニティが開発したXen仮想化技術のシームレスな統合とサポートを提供する。これには,サーバー統合,コスト削減,サービス・レベルを向上させるプラットフォームの提供,包括的な開発とQA環境,ハードウェア抽象化のサポートなどが盛り込まれている。

 また,同月リリースされるLinuxディストリビューション「Fedora Core 5」では,Red Hat Enterprise Linuxに搭載する仮想化技術のプレビュ版を提供することを明らかにした。同年夏には,「Enterprise Virtualization」のベータ版とともに仮想化への移行,評価,プランニングに関するサービスの提供も予定している。同年末には,仮想化技術を搭載する「Red Hat Enterprise Linux 5」をリリースするという。

 同社CTOのBrian Stevens氏は「一般的にサーバーでは,控えめに見積もってCPU能力の15~25%ぐらいしか利用されていない。しかし仮想化によって80%まで高めることができる。所有コストを下げるためにRed Hat Enterprise Linuxを選択したユーザーは,仮想化の波に乗ってさらにコストを縮小しながら運用効率を高められるだろう」とコメントしている。

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