カナダのResearch In Motion(RIM)は,企業向けのモバイル対応音声通信ソフトウエアを手がける米Ascendent Systemsを買収した。RIMがカナダで現地時間3月10日に発表したもの。買収金額などの詳細については明らかにしていない。

 Ascendentの製品には,既存のPBXおよびIP-PBXシステムを強化し,デスク上の固定電話機能を携帯電話などのモバイル・デバイスに拡張する「Voice Mobility Suite」がある。

 「Voice Mobility Suiteは当社の企業向け事業を補完するものとなる。Ascendent買収により,企業における無線通信の導入促進を図り,顧客のモバイル戦略に沿ったソリューションを提供できるようになる」(RIM会長兼共同CEOのJim Balsillie氏)。

 Ascendentは以前からRIMと提携関係にあり,BlackBerry関連の独立系ソフトウエア・ベンダー(ISV)支援プログラム「BlackBerry ISV Alliance Program」のメンバーでもある。米Cisco Systems,米Intel,米Microsoftなどとも提携している。Ascendentは今後,RIMの100%子会社となる。

 またRIMは同日,企業向け無線プラットフォーム・サーバーの新版「BlackBerry Enterprise Server v4.1」と「BlackBerry Enterprise Server - Small Business Edition v4.1」のリリースを発表した。

 この製品は,より大規模な無線システムの導入と管理に対応し,米Microsoftの「Windows Messenger」および「Live Communications Server 2005」,米IBMの「Lotus Sametime」といった主要なインスタント・メッセージング(IM)プラットフォームと密に連携する。IBMの「Lotus Domino」(バージョン5.0~7.0)とMicrosoftの「Exchange」(バージョン5.5~2003 Service Pack 2)もサポートする。

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]