米Intel社は,サーバに向けたマイクロプロセサの製品化計画を具体的に提示した。「高性能化」と「低消費電力化」の両立に向けて新技術を投入する。その理由として同社Senior Fellow兼CTOのJustin Rattner氏は,典型的なサーバにおける消費電力の48%をマイクロプロセサが費やしていることを指摘した。例えば同社の主力製品の1つである高性能サーバ向けXeon(Paxville DP)は消費電力が130Wと大きい(表1)。この値を,2006年第3四半期に投入予定の「Woodcrest」で,80Wまで引き下げる。これによって,マイクロプロセサの消費電力はサーバ全体の33%に抑えられるとRattner氏はみる。
Woodcrestに先駆けて2006年第2四半期には,「Dempsey」を発売する。現行のPaxvilleに比べて消費電力をわずかに下げながら,性能を高める。CPUの動作周波数だけではなく,周辺チップセット(MCH:メモリ・コントローラ・ハブ)との接続形態を一新する。これまで,2CPU構成を採る場合,MCHとは800MHz動作の共有バスで接続していた。この周波数を1GHzに高める上,ポイント・ツー・ポイントでつなぐ。ピークの転送速度だけではなく,スループットの大幅な向上が見込める。Dempseyから導入したこのプラットフォーム技術を「Bensley」と呼ぶ(図1)。Dempseyに続いて登場するWoodcrest/Clovertownも,このBensleyプラットフォームを採用することで,ソケットのピン配置の互換性を維持する。
ブレード・サーバに向けた低消費電力版のマイクロプロセサも順次,性能強化を図る。現行はシングルコアのXeon(Irwindale)を提供しているが,来週にも新型の「Sossaman」の出荷を始める。Sossamanはデュアルコア構成で,消費電力は現行のIrwindaleが55Wなのに対して31Wと小さい。ただし32ビット・アーキテクチャである。ブレード・サーバ向けには,低電圧動作のWoodcrestを2006年第3四半期に発売する。消費電力は40Wの見込みである。