メモリの温度上昇が性能劣化の原因に
メモリの温度上昇が性能劣化の原因に
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 米Intel社は,メモリ・モジュールに温度センサを付加することで冷却ファンを制御するデモンストレーションを披露した。マイクロプロセサのように高速動作する電子部品に温度センサを付けることは多いが,メモリへの適用例は限定的だ。

 Intel社によれば,メモリのデータ転送速度が高まるにつれ,メモリ・チップの温度上昇が顕著になるという。特に,ノート・パソコンや「Origami」対応の新型PCのように高密度実装技術を利用した機器ではこの問題が深刻になる。同社がメモリ・チップの温度上昇を測定したところ,1GバイトのDIMM(667MHzのDDR2)に対して5Gバイト/秒超でデータ転送を実行すると,温度は85℃を超えた。これに対して512MバイトのDIMMでは,同じデータ転送速度でも約70℃だった。

 今後,メモリの高速化および高密度化によって,この問題がさらに顕在化することを懸念し,同社はメモリ・ベンダーおよびシステム・ベンダーと協力しながら,問題解決に当たりたいとする。会場では,メモリの温度が上昇するにつれて,グラフィックスの描画が遅くなることを実演した。温度上昇を検知し,チップを冷却すると,再びグラフィックス描画が高速になった。