図1 45nmへの移行を力強く宣言
図1 45nmへの移行を力強く宣言
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図2 デュアルコアから4CPUコア内蔵へ
図2 デュアルコアから4CPUコア内蔵へ
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 米Intel社のCTOであるJustin Rattner氏は,IDFにおける基調講演において「新しいマイクロアーキテクチャ(関連記事)と,新しい半導体技術がマイクロプロセサの高性能化と低消費電力化を両立させる」とし,半導体の微細化技術に言及した。同社は2005年には90nmの半導体製造技術を主力としていたが,2006年にはこれを65nmに移行させる。そして2007年にはさらに微細化を進め,45nmルールのプロセス技術を実用化する。同社はこれまで半導体技術者を対象にした学会などでは,45nmルールへの移行時期を明らかにしていたが(Tech-On!関連記事),今回は半導体を利用する立場の開発者に向けて,改めて微細化のロードマップを提示した格好だ(図1)。45nmルールに移行することにより,トランジスタのスイッチング速度は20%向上し,スイッチング電流は30%低減するという。つまり性能が高まり,消費電力は小さくなると期待される。

 では,何を製造するのか。同社は,マイクロプロセサのデュアルコア化で競合のAMD社から出遅れたという経緯がある。2005年には90nmルールの製造技術で,デュアルコア構造のマイクロプロセサの量産を開始したが,適用した品種は一部に限られていた。2006年には65nmのプロセス技術を利用することで,ノート向け,デスクトップ向け,サーバ向けと幅広くデュアルコア化を進める。2006年末までに同社のマイクロプロセサの70%がデュアルコア対応になる。2007年初めには,65nmで製造した4CPUコアを集積した品種の量産を始める(図2)。45nmのプロセス技術が威力を発揮するのはその先になる。4CPUコアの構造を幅広い品種に適用するのに,45nmの製造技術を用いる。これによって4CPUコアへの対応では,AMD社に先駆けることができるか,今,競争の火蓋が切って落とされた。