米Intelはカリフォルニア州サンフランシスコで開幕した開発者向け会議Intel Developer Forum(IDF)Spring 2006で,新しい仮想化技術「Intel Virtualization for Directed I/O(Intel VT-d)」やサーバー/ワークステーション向け新型プロセサ,デスクトップ・パソコン向け新型プロセサなどを,米国時間3月7日に発表した。2ウエイ・サーバー向けクアッドコア・プロセサ「Clovertown」(開発コード名)のデモンストレーションも行った。
Intel VT-dはエンタープライズ・サーバー向け仮想化技術。「Intel Virtualization Technology(Intel VT)」の後継に相当する。I/Oデバイスを仮想マシンに割り当てるI/O仮想化機能を備える。米VMwareと米Microsoftが対応を計画しているという。VMware社は2006年中に全製品をIntel VTに対応させたうえで,2007年にVT-d対応を実施する。Microsoft社はIntel VT-dの仕様策定に協力し,Windowsの仮想化アーキテクチャとのすり合わせを行う。
Intel社が2006年に提供を開始するサーバー/ワークステーション向けプロセサは以下の通り。
・ブレード・サーバー,ストレージ機器,通信装置向けの省電力プロセサ「Sossaman」(開発コード名)。3月第3週に出荷を始める
・デュアルコア版Xeonプロセサ「Dempsey」(同)。デュアルコア・プロセサ用チップセット「Blackford」(同)と合わせて,サーバー向け新プラットフォーム「Bensley」(同)を構成する。3月中に出荷を始める
・Bensley向け新プロセサ「Woodcrest」(同)。消費電力を35%削減しながら,処理性能を80%以上高めるという。2006年第3四半期に利用可能とする
Intel社は,マイクロアーキテクチャ「Intel Core」についても触れた。Intel Coreを基盤とするサーバー,デスクトップ・パソコン,ノート・パソコン向けのマルチコア・プロセサを計画しており,「2006年末には,Intel Coreマイクロアーキテクチャがパソコンおよびサーバーの中核になる」(同社)とする。
具体的な製品としては,デスクトップ・パソコン向けデュアルコア・プロセサ「Conroe」(開発コード名)を紹介した。同社によると「40%の省電力化と,40%の高速化が可能」という。パソコン管理技術「Intel Active Management Technology(AMT)」と企業向けパソコン・プラットフォーム「Intel Professional Business Platform」(開発コード名は「Averill」),Intel VT,新型チップセット「Broadwater」(開発コード名)に対応する。2006年後半に利用可能とする予定。
クアッドコア・プロセサClovertownは,Bensleyプラットフォームで利用できる。2007年の早い時期に出荷を開始する。また同じころ,ハイエンド・デスクトップ・パソコン向けのクアッドコア・プロセサ「Kentsfield」(開発コード名)の提供も計画している。
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[発表資料(概要)]
[発表資料(Intel VT-dにおけるMicrosoft社との関係)]
[発表資料(Intel VT-dにおけるVMware社との関係)]
[発表資料(Intel Coreマイクロアーキテクチャ)]