図1 新しいCoreアーキテクチャを採用したマイクロプロセサ:上がサーバ用、
図1 新しいCoreアーキテクチャを採用したマイクロプロセサ:上がサーバ用、
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図2 Coroeと既存のマイクロプロセサで性能を比較:Officeを利用したベンチマーク。
図2 Coroeと既存のマイクロプロセサで性能を比較:Officeを利用したベンチマーク。
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図3 4CPUコアを内蔵するマイクロプロセサ:上と右下がサーバ用、左下がデスク
図3 4CPUコアを内蔵するマイクロプロセサ:上と右下がサーバ用、左下がデスク
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 米Intel社は、2006年に出荷を予定する新しいマイクロプロセサのロードマップを提示した。いずれも、「Coreアーキテクチャ」と呼ぶ新しいマイクロアーキテクチャ(内部構造)を採用し(関連記事)、65nmのプロセス技術で製造する。同社のSenior Vice PresidentであるPat Gelsinger氏によれば、2006年末までに、同社が出荷する主流のマイクロプロセサはいずれもCoreアーキテクチャに移行する計画という(図1)。

 ノート向けでは、2006年に「Merom」を投入する。現行品の「Centrino Duo」に比べて、性能が20%増、消費電力は同等という。

 デスクトップ向けでは2006年第3四半期に「Conroe」の出荷を始める。このマイクロプロセサは、従来、「Averill」という開発コード名で呼ばれていたものである。Conroeは、仮想化技術VTおよび管理技術AMT(Active Management Technology)の機能を実装した新型のチップセット「Broadwater」と組み合わせて使用する。動作周波数や消費電力など、具体的な数値は明らかにしていないが、現行のデスクトップ向けの「Pentium D 950」と比較し、性能が40%高まり、消費電力は40%減と見込んでいる。65nmのプロセス技術で製造する。会場では、Conroeのデモを実演した。Microsoft社のOfficeアプリケーションを基にしたベンチマークで比較したところ、現行品が28秒かかった処理をConroeが11秒で済んだ。このデモに限れば性能は2.5倍以上だったことになる(図2)。なお、2007年初めには4個のCPUコアを内蔵した「Kentsfield」の提供を始める計画という(図3)。

 サーバ向けでは、2006年第3四半期に、Coreアーキテクチャを採用した「Woodcrest」の出荷を予定する。現行の「Paxville DP 2.8/800」と比べて性能は80%向上し、消費電力は35%減の見通しである。Woodcrestの消費電力は80Wを見込む。同社の「Paxville DP」が130W、「Irwindale」が110Wなのに比べて、大幅に下がる。これとは別に、低電圧で動作するWoodcrestも開発中で、消費電力は40W程度になる。同社の低電圧動作版Irwindaleの消費電力が55Wであるのに対し、大幅に消費電力が下がる。2007年には、デスクトップ向けと同様に、4個のCPUコアを内蔵した「Clovertown」を提供する。Clovertownの消費電力は、ハイエンド向けが120W以下、メインストリーム向けが80W、低消費電力版が40Wを見込む。

 WoodcrestとClovertownはいずれも、「Bensley」と呼ぶサーバ向けの共通標準仕様に基づくことから、ピン配置の互換性がある。今回のIDFでは、Clovertownを実装したサーバを会場に持ち込み、実際にソフトウエアが動作することを実演してみせた。