米Sun Microsystemsは米国時間3月6日に,無線センサー・ネットワークや民生電子機器開発向けのプラットフォーム「Project Sun SPOT」を発表した。「基盤となるOSがなくても,直接CPU上で動作するJavaアプリケーションを容易に構築できる」(同社)。

 Project Sun SPOTは,モバイル向けJava技術Java 2 Platform, Micro Edition(Java ME)対応の仮想マシンを利用する。「コンピューティングはもはや,携帯電話やパソコンなどのデバイスにとどまらない。今後はセンサーによるコンピューティングの普及が見込まれる。Project Sun SPOTにより,Javaはセンサー駆動型コンピューティングでも重要な役割を果たすことになるだろう」(Sun社Communications, Media and Entertainment部門上級バイス・プレジデントのGlenn Edens氏)。

 同社によると,すでに医療用モニター,荷物追跡,双方向ホーム・オートメーションなどのアプリケーション開発を進行中で,メッシュ型ネットワークやロボティクス技術を用いた実験,新たなジェスチャ・インタフェースの開発などに取り組んでいるという。

 Project Sun SPOTは大学や研究機関および愛好家向けに2006年5月にリリースする予定。

 Project Sun SPOTの技術評価キットは,3基のSun SPOTで構成する(スタンドアロン・デバイス2基とベース・ステーション1基)。各Sun SPOTは,32ビットの「ARM9」プロセサ,512Kバイトのメモリー,4Mバイトのフラッシュ・メモリー,2.4GHz無線,USBインタフェースを組み込んだプロセサ・ボードを備える。スタンドアロンのSun SPOTは,3Dアクセラレータ,熱/光センサー,3色LEDなどを搭載する。さらにJ2ME仮想マシンやNetBeans 5.0も含まれる。

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