ペンシルベニア州フィラデルフィア市と米EarthLinkは,フィラデルフィア市全域で展開する無線LANサービスの構築,運営に関する契約に署名した。フィラデルフィア市が米国時間3月1日に明らかにしたもの。無線LANが完成すると,米国最大のWi-Fiホットスポットになるという。

 EarthLink社は,同市全体に及ぶ135平方マイルを対象とした無線LAN網の構築,管理,運用を行う。この作業に対し,フィラデルフィア市は税金を投入しない。EarthLink社は約4000本の街灯に通信装置を取り付けるが,この費用はフィラデルフィア市が負担する。

 EarthLink社は,市内に22カ所のWi-Fiホットスポットを設け,市民や旅行者に無料で提供。フィラデルフィア市に対しては,3000個の無料または割り引きWi-Fiアカウントと,700個の割り引きT1アカウントを提供する。

 無線LANサービスの運営は,非営利の無線LANサービス運営組織Wireless Philadelphiaが担当する。EarthLink社のアクセス・サービスで得た収入の5%を受け取り,事業費用とする。またEarthLink社は,デジタル・デバイド解消に向けた活動の資金として,フィラデルフィア市に200万ドルを支払う。

 料金は利用者の所得などによって異なる。低所得者向け料金は月額9.95ドルとし,ISP料金も割り引く予定。

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