米Oracleは米国時間3月1日,社内向けの検索システム「Oracle Secure Enterprise Search 10g」を発表した。企業のセキュリティ・ポリシーを適用して,基幹業務情報の検索や情報へのアクセスを,権限を持つユーザーだけに限定できる。データベースやファイル・システム,コンテンツ管理システム,ポータル,電子メール・システム,業務アプリケーションなどに含まれる,企業内で利用されるあらゆる情報が検索の対象となる。

 同製品は,企業の既存のメタデータを活用できる検索アルゴリズムを採用。使い勝手のよい管理インタフェースを備えている。また,ユーザーはWebベースのインタフェースを通じて検索エンジンにアクセスできるほか,従来のインターネット検索と同じようにキーワードを使った検索も可能なため,トレーニングやサポート・コストを最小限に抑えられるとしている。

 現在,企業は機密情報を保護しながら,アクセス権を持つユーザーが多様なデータ・ソースに分散した関連情報を素早く見つけられるようにするという課題に直面している。この問題に対応するために,同製品ではアクセス権を持つ情報につながる検索結果だけをユーザーに表示するセキュリティ機能を搭載している。具体的には,複数のユーザー認証システムとの直接的な連携,検索インデックスを保存するレポジトリ,検索機能をカスタマイズするための安全なプログラミング・インタフェースを提供している。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,東京で開催中の「Oracle OpenWorld」カンファレンスにおいて,同社CEOのLarry Ellison氏は,「Googleは,インターネット上のパブリックなデータの検索に優れているが,プライベートなデータの検索が得意ではない。しかし,企業内で扱う情報は公開しているデータではなく,プライベートなデータである」と指摘。企業における実務においてOracle Secure Enterprise Search 10gが優位にあることを強調している。

 同製品は,同年5月末までにリリースが予定されている。

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