フィッシング対策の業界団体Anti-Phishing Working Group(APWG)は,2005年12月におけるフィッシング攻撃の調査結果を米国時間2月12日に発表した。それによると,APWGが報告を受けたフィッシング攻撃は1万5244件で,前月の1万6882件と比べてわずかに減少した。一方,フィッシング・サイト数は7197カ所となり,前月の4630カ所,前々月の4367カ所を大幅に上回った。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,フィッシング・サイトが増加している原因として,スキルのないユーザーでも簡単にフィッシング・サイトを構築可能なフィッシング・キットの存在があるという。

 フィッシングに悪用されたブランド数は121で,前月の93から増加し,過去最悪となった。前月と比べて,欧州の金融機関に対する被害が特に広がっている。ISPやWebメールのプロバイダ,P2Pネットワークに対する攻撃も報告されている。業種別被害をみると,金融サービス業が依然として最も多く,全攻撃の89.3%を占めた。以下大きく離れて,ISP(5%),その他(3.3%),小売業(2.5%)と続く。

 フィッシング・サイトのホスティング国は,米国が34.67%で引き続きワースト1となった。ワースト10リストに入った他の国は,韓国(9.83%),中国(8.98%),ドイツ(3.78%),英国(3.4%),日本(3.33%),台湾(2.19%),ルーマニア(1.96%),フランス(1.96%),カナダ(1.85%)だった。

◎関連記事
「2005年8月のフィッシング・サイト数は過去最悪,ただし件数は微減」,業界団体調査
「紛らわしいドメイン名,法的権利は米Yahoo!にあり」,全米仲裁協会
加州知事,フィッシングを取り締まるインターネット法案に署名
「キーロガーや偽URLなど,フィッシングの手口が悪質化」,APWG
「フィッシング目的の『サーバー乗っ取り』が増えている」――米APWG
「フィッシングの新たな手法『ファーミング』に要注意」,フィッシング対策団体の調査
英Sophos,税金還付を騙るフィッシング・メールを警告
「400ドルが当たりました!」,米Googleを騙るフィッシング・サイトが出現

[発表資料へ(PDF形式)]