カナダResearch In Motion(RIM)と米NTPのあいだで争われている特許侵害訴訟において,米特許商標局(USPTO)は再審理の結果NTPの特許を無効と判断した。RIMが現地時間2月1日に,USPTOから通知を受け取ったことを明らかにした。

 今回USPTOが却下した特許の米国特許番号は「5,436,960」。タイトルは「Electronic mail system with RF communications to mobile processors and method of operation thereof 」。無線接続経由で電子メールをやりとりする通信手法に関係する。1991年5月20日に申請し,1995年7月25日に成立した。89件のクレームから成る。

 RIMによれば,「NTPとの訴訟で争点として残されていた3件の特許はすべて却下された」。5,436,960特許以外の2件は以下の通り。

・米国特許番号「6,317,592」。タイトル「Electronic mail system with RF communications to mobile processors」。1999年12月6日申請,2001年11月13日成立。USPTOが無効と判断(RIMが2006年2月1日に公表)。
・米国特許番号「6,067,451」。タイトル「Electronic mail system with RF communications to mobile processors」。1998年9月28日申請,2000年5月23日成立。USPTOが無効と判断(RIMが2006年2月22日に公表)。

 RIMは,「NTPが申し立てを起こす可能性はあるが,3件を無効であるとする結論は,USPTO中央再審査局の最終判断を反映したものだ」と述べた。

 ちなみに同日,米連邦裁判所はRIMの電子メール・サービス「BlackBerry」の即時禁止命令を出さないことを決定した。しかしJames Spencer判事は,「以前の審理で,RIMはNTPの特許を侵害したと認定されており,和解に至らなければBlackBerryの差し止め命令を発する可能性は残っている」と述べた(米メディア)。

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