米In-Statは米国時間2月21日,無線サービスを利用する企業のサービス品質保証契約(SLA:Service Level Agreement)に対する意識調査の結果を発表した。それによると,企業が無線サービスを選択する際の重視項目として,SLAは2004年の7位から2005年は6位へと順位を上げた。

 In-Stat社アナリストのAllyn Hall氏は,「現在,SLAは最重要項目ではないが,社員を1000人以上抱える大企業は今後5年以内に,SLAを必須条件とみなすようになる」と予測する。

 同氏によると米Sprintはすでに,すべてのサービスにおいてSLAをオプションで提供している。しかし,「企業の大半がSLAを重要視するようになるには,プロバイダがSLAを大幅に改善する必要がある」(同氏)。

 その他の主な調査結果は次の通り。

・現在,無線サービス購入の意志決定プロセスに大きな影響力を持つのは,データを専門に扱う部門である。また,MIS(経営情報システム)部門やIT部門,CIOが購入プロセスに関与しているかは,企業がSLAを重視するかとは無関係である

・サービス品質の詳細を顧客別に監視できるサービス品質管理ツールの実装を検討中,あるいは実装済みのサービス・プロバイダが増えており,プロバイダによるSLA提供の後押しをする可能性がある

・無線サービス・パッケージにおけるデータ・サービスの重要性が増すほど,企業はSLAを重視するようになる

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