米Sun Microsystemsは,デスクトップJavaソフトウエア開発プラットフォーム「Java Platform, Standard Edition 6(Java SE 6)」(開発コード名は「Project Mustang」)のベータ版を公開した。Sun社が米国時間2月15日に明らかにしたもの。同社のWebサイトから無償でダウンロードできる。

 Java SE 6は,デスクトップ向けJavaソフトウエアを開発するための環境。XMLスタック改造,スクリプティング・エンジン刷新,アノテーション対応,Java Database Connectivity(JDBC)プログラミング環境の改善により,クライアント・サイドWebサービスへの対応を図る。Windows Vistaのルック&フィールを採用し,.NET Common Language Runtime(CLR)との共存する。Javaアプリケーション配信プラットフォームJava Web Startやグラフィックス機能も強化する。

 特にWeb 2.0対応として,PHPやJavaScriptといったスクリプト言語用の新しいフレームワークを搭載した。Webサービス用クライアント・スタックの採用と,JAX-WS 2.0やJAXB 2.0などのWebサービス仕様への対応により,Java SE上でWebサービスの作成と発行が従来に比べ容易になったという。「スクリプト言語環境の拡充とWebサービスへの対応により,Java SE 6がWeb 2.0アプリケーションおよびサービス向けの次世代プラットフォームになることは間違いない」(Sun社Java開発者プラットフォーム&戦略担当副社長のJeff Jackson氏)。

 アプリケーションの分析・管理・監視のため,Solaris 10 Operating Systemの問題分析/復旧機能「Dynamic Tracing(DTrace)」への対応強化を行った。またJava仮想マシン(Java VM)とJava Platform Debugger Architecture(JPDA)に対するインタフェースを更新し,開発の負荷を軽減するという。

 2005年6月時点で,Sun社はJava SE 6の正式版リリース日程を2006年夏としていた。さらにその後リリースする「Java SE 7」では,Java Management Extensions(JMX)APIを拡張するほか,XMLデータ・タイプを直接操作できるようJavaプログラミング言語を更新するなどして,Webサービスへの対応を強めるという(関連記事)。

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