米RSA Securityがカリフォルニア州サンノゼで開催中のRSA Conferenceで米国時間2月14日に,二因子認証技術「RSA SecurID」をパソコン上のWebブラウザで利用可能とするツールバー「RSA SecurID Toolbar Token」や,使い捨てパスワード(OTP:One-Time Password)を使う電子署名システム「RSA SecurID SID900 Transaction Signing Token」を発表した。いずれも2006年第2四半期に全世界で利用可能とする予定。

 RSA SecurID Toolbar Tokenは,OTPベースのRSA SecurIDによるユーザー認証機能をWebブラウザで利用可能とするツールバー。Microsoft Internet Explorer(IE)とMozilla Firefoxに対応している。RSA Security社は,同ツールバーの機能をほかのツールバーに組み込めるようにするため,ソフトウエア開発キット(SDK)も用意する。

 RSA SecurID SID900 Transaction Signing Tokenは,クレジットカード大のOTP生成カードを使い,オンライン取引の内容に電子署名を付加するためのシステム。電子署名により,発注内容や金額などデータの正真性を確保できる。生成されるOTPは,ユーザー認証にも使える。

 同社がRSA Conferenceで行ったそのほかの発表概要は以下の通り。

・「RSA SecurID Ready」パートナ・プログラムの拡大:
 各種装置/ソフトウエアへのRSA SecurID技術組み込みを支援する同プログラムに,米MicrosoftとカナダResearch in Motion(RIM)が加わった。既存のパートナ企業は,米Motorola,米M-Systems,米RedCannon Security,ルネサス テクノロジ,米SanDisk

・「RSA SecurID Appliance 2.0」:
 RSA SecurID対応アプライアンスの新版。2月6日に米国で提供を開始した。2005年4月にリリースした中小企業向けモデルを強化し,対応ユーザー数を5万人に増やした

・カナダDiversinetとの技術提携:
 無線通信機器でRSA SecurIDの利用を可能とする

・イスラエルCheck Point Software Technologiesとの協業:
 共同ブランドによるセキュリティ・ソリューションの試験提供を行う

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[発表資料(概要)]
[発表資料(RSA SecurID Toolbar Token/SID900 Transaction Signing Token)]
[発表資料(RSA SecurID Readyパートナ・プログラムの拡大)]