米Oracleは米国時間2月14日に,オープンソース・データベース・ベンダーの米Sleepycat Softwareを買収したことを明らかにした。Oracle社はこれにより組み込みデータベース製品の拡充を図る。

 Sleepycat社の「Berkeley DB」は世界で広く使われているオープンソース・データベースで,「導入件数は推定2億件にのぼる」(Oracle社)。デュアル・ライセンス・モデルを採用しており,LinuxやBSD UNIX,Apache Webサーバー,OpenLDAP,OpenOfficeなどがBerkeley DB技術を導入している。

 Oracle社はモバイル・デバイス向けの「Oracle Lite」や大容量処理向けの「Oracle TimesTen」を手がけている。これにBerkeley DBを追加し,組み込みデータベース製品ラインを強化したい考え。「信頼性のある高速組み込みデータベースを導入する必要がある顧客に,企業クラスのサポートを提供する」(Oracle社)

 米IDCの調査によると,組み込みデータベース市場の規模は2005年に20億ドルを超え,2009年には32億ドルを上回る見通しだ。同市場は多様化しており,各分野に特化する傾向にある。「Berkeley DBを加えることで,Oracle社は組み込みデータベース管理システム(DBMS)市場の幅広い分野に対応できるようになるだろう」((IDCのCarl Olofson氏))。

 ちなみにOracle社は,昨年10月にフィンランドのオープンソース・ソフトウエア・ベンダーInnobaseを買収している。また米メディアの報道(InfoWorld)によると,米JBossやイスラエルZend Technologiesとも買収交渉中との噂がある。

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