米連邦政府は,サイバー攻撃を想定した予行演習「Cyber Storm」を終えた。米国土安全保障省(DHS)が米国時間2月10日に明らかにしたもの。米連邦/地方政府組織,民間団体/企業,米国以外の公的機関など115組織が参加し,サイバー攻撃を受けた際の対応,組織間の協調,攻撃からの復旧手順などを確認した。

 予行演習では,エネルギー,IT,通信,交通といった重要なインフラに対するサイバー攻撃を想定し,複数のシナリオに従って対応をシミュレーションした。例えば,電力会社のコンピュータ・システムが停止し,電力網に大きな混乱が生じたと仮定した。こうしたシナリオで,National Cyber Response Coordination Group(NCRCG)を通じた組織間の協調,対応および復旧に影響を及ぼす政策問題の特定,公共および民間機関のあいだで重要情報を共有するルートと手順を確認した。

 予行演習には,米国赤十字社やカナダの緊急対策センター(PSEPC:Public Safety and Emergency Preparedness Canada)も加わった。

 なお米メディア(InfoWorld)は,英国,オーストラリア,ニュージーランドの政府組織や,米Microsoft,米VeriSign,米Symantecも参加したと報じている。

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