無線およびゲーム関連企業が,携帯電話向け有料ゲームの開発と提供の業界統一化に向けて協力する。米Texas Instruments(TI)が米国時間2月10日に明らかにした。さまざまなモバイル環境に向けたゲーム開発および提供のプロセスを統合することで,プラットフォームの分散化を防ぎ,開発費用を削減,ユーザーにはリッチなゲーム体験を提供できるようにする。

 この取り組みに参加するのはTIのほか,米Activision,米Digital Chocolate,米Electronic Arts,米MontaVista Software,英Ideaworks3D,英Symbian,英Tao Group,フィンランドのNokia,韓国のSamsung Electronics,韓国のSK Telecom,コナミ,スクウェア・エニックス。

 「3次元(3D)ゲームは現在,携帯電話向けゲームで最も注目が集まっているが,プラットフォームが分散しているため,無線市場で真価を発揮することができない。ゲーム・プラットフォーム向けアーキテクチャの大枠が明確になれば,この業界は将来さらに成長し,有料モバイル・ゲームの大幅な普及促進が期待できる」(TIのOMAP Platform事業世界市場担当ジェネラル・マネージャRichard Kerslake氏)

 多数ある携帯電話モデルやOSへの対応には大幅なコストと開発時間がかかり,消費者に提供するゲーム・コンテンツの品質が落ちる結果となる。さまざまな機種やOSが共通の設定を採用すれば,より簡単で効率的にゲームを移植できるようになる。ゲーム開発者は,豊富なグラフィックと機能を搭載した新たなゲームの作成に注力することができる。

 この取り組みでは,Microsoft Windows Mobile,Linux,Symbian OSなどの主要OSに対応した有料モバイル・ゲームの効率的な開発,テスト,実装を目指し,ゲーム開発者の意見を受けてアーキテクチャを定義する。最初の参照インプリメンテーションは,2006年後半に発表される予定。

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