カナダのResearch In Motion(RIM)は現地時間2月9日に,米国で利用する「BlackBerry」デバイス向けのソフトウエア・アップデート「BlackBerry Multi-Mode Edition」を発表した。米NTPのあいだで争われている特許侵害訴訟で裁判所がRIM社の特許侵害を認める判決を下した場合の対策として開発したという。

 同アップデートをインストールしたBlackBerryデバイスは,RIM社が「Network Operations Center(NOC)」を通じてリモートでモード切替ができるようになる。裁判で販売差し止め命令が下された場合に「US Mode」に切り替えてNTP社の特許を回避する仕組み。差し止め命令が出なければ,「Standard Mode」で従来通りに動作する。RIM社はすでに同アップデートのテストを行っており,米特許商標局(USPTO)に特許を申請済み。

 同アップデートは専用サイトでまもなく配布を開始する予定。

 なお同社は,「現時点で差し止め命令は出ておらず,現ユーザーは行動を起こす必要はない」としている。

 また,差し止め命令が言い渡された際には,新たに出荷するBlackBerryデバイスと「BlackBerry Enterprise Server」ソフトウエアに同アップデートをプリインストールする。

◎関連記事
加RIMと米NTPの特許侵害訴訟,米特許商標局がNTP社の特許を無効と判断
加RIMと米NTPの特許訴訟,米最高裁がRIM社の審理一時中断の訴えを棄却
「当社による不正利用を主張する米NTPの特許,米特許商標局が有効性を棄却」,加RIM
加RIMが特許侵害訴訟で敗訴,控訴する意向を表明
加RIMと米Good Technologyが和解,ライセンス契約を締結
加RIMと米NTPの特許侵害訴訟,米特許商標局がNTP社の特許を無効と判断
米Microsoft,リモート・アクセス技術の特許侵害で訴えられる
「2009年の世界モバイル・ワーカー数は8億5000万人超,全就労者の4分の1以上」,米調査

[発表資料へ]