米IBM,米Neterion,米Sun Microsystems,米Universal Network Machinesは,EthernetとTCP/IP上でRemote Direct Memory Access(RDMA)の利用を推進するオープンソース・ソフトウエア・プロジェクト「OpenRDMA」を結成した。Neterion社が米国時間2月6日に明らかにしたもの。Linux環境向けのアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)を公開し,RDMA対応アプリケーションの開発を支援する。
RDMAは,ネットワークなどを経由してほかのマシンのメモリーを直接アクセスする技術。高性能サーバー・クラスタなどにおいて,サーバー間で通信を行う際にメモリー・コピーの負荷を軽減できるという。「メモリー・バスの通信帯域やプロセサに与えるオーバヘッドを最小限に抑えつつ,別のマシンのメモリーに直接データを書き込めるようにする。これにより,データ・コピー処理の回数とアクセス遅延を減らせる」(Neterion社)。
OpenRDMAは,Unix/Linux関連団体Open GroupのInterconnect Software Consortium(ICSC)が定義したIT-APIやSockets API Extensionsに加え,DAT ConsortiumのDAT APIといった技術を,標準RDMA APIとして提供する。RDMA APIはLinuxカーネル用とユーザー用に分かれており,汎用/OS機能とハードウエア固有機能を明確に分離しているため,多様なRDMAネットワーク・カードに対応できるという。
OpenRDMAの標準RDMA APIは,2006年中に評価を開始できると見込む。
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