米特許商標局(USPTO)は,特許監視団体Public Patent Foundation(PUBPAT)の請求に応じ,米Forgent Networksの100%子会社である米Compression Labs(CLI)が所有する画像データ圧縮技術Joint Photographic Experts Group(JPEG)関係特許の再審査を決定した。PUBPATが米国時間2月2日に明らかにしたもの。PUBPATによると,USPTOは「対象特許の全クレームの特許性に,大きな疑問が新たに生じた」としている。

 問題の特許は,米国特許番号4,698,672(672特許)。タイトルは「Coding system for reducing redundancy」。1986年10月27日に申請され,1987年10月6日に成立した。制限のある通信帯域で画像を伝送するための信号圧縮手法に関するもので,デジタル静止画を圧縮,保存,操作,印刷,転送する際に使う技術。デジタル・カメラのほかPDA/携帯電話機/プリンタ/スキャナなどにも関係するという。

 Forgentは1997年にCLIを買収し,2004年より積極的に特許を主張し始め,電子画像の作成や配信を手がける企業に対して訴訟を起こしている。これまで訴訟の対象となった企業は,米Apple Computer,米Dell,米Hewlett-Packard,米IBM,米Microsoftなど40社以上に上る(関連記事その1その2その3)。これに対し,カナダ Research In Motion(RIM)や米Yahoo!などは,ライセンス契約に応じている(関連記事その1その2)。

 USPTOに提出した再審査請求書の中で,PUBPATは先行技術を提示した。「先行技術の存在で,672特許は無効になるはずだ。Forgentは未熟なソフトウエアしか提供していないのに,特許料徴収が主要なビジネスになっている。今回我々が行ったような第三者による再審査請求の結果,約70%の特許が修正を強いられるか無効化する」(PUBPAT)。

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