米Deloitteは米国時間2月2日,2006年における技術,メディア,通信部門の動向に関して調査した結果を発表した。それによれば,検索エンジンが電子メールを抜いて,最も頻繁に利用されるアプリケーションになるという。また,同社はデジタル格差がさらに広がると予測している。

 同社は,検索の利用が増加する理由として,機能の向上や高速接続の普及,使用される電子データの増大などを挙げている。検索エンジンのインタフェースには大きな進展はないと予想している。

 デジタル格差は,これまで先進国と発展途上国間で最も大きかったが,この傾向は同年も続くとみられる。各国によるデジタル格差解消の取り組みは,この問題の根底にある経済的および政治的問題,あるいは社会的な問題に対処できていないと指摘。IT技術が普及していない地域では,メディア,インターネット,電子機器,情報へのアクセスが欠如していることにより,ますます不利な立場になるという。

 携帯電話に関しては,引き続き第2世代(2G)対応携帯の成長,売り上げ,シェアが最も大きくなり,第3世代(3G)携帯の普及は予測よりも遅れるという。顧客のニーズは既存の技術規格で満たされているため,3G技術の利点が理解されにくいとみている。同年は,3Gサービスに数千万人の新規加入が見込まれるが,数十億ドルの投資に見合う収益は上げられないと予想している。

 同年は,通信事業者が新しい収益源を求め,コンテンツ企業が新しいチャネルを求めている。また,その他の企業も自社の顧客ベースを活用したいと考えている。そのため,同社は,仮想移動体通信事業者(MVNO)が急成長すると予測している。

 メディアとエンタテイメント部門では,携帯型TVの成長は鈍いと予測。ビデオ・ゲームでは,新しいプラットフォームの成功を受け,業界がその成長維持を維持するために,新たに若い女性をターゲットとする製品を提供するとみている。

 そのほか,購読型のラジオが急成長すると予測。インターネット・ラジオといった新しい形態のサービスが増加するという。現在,米国では1200万人が衛星ラジオ・サービスを購読しており,同市場は2010年までに35%拡大するという。

◎関連記事
2009年の中国の携帯電話加入者数は約6億1000万人,3Gが2~6割に
「『インターネットによって起業の夢が現実的になった』とする米国人は75%」,米Yahoo!
米Microsoft,世界の恵まれないコミュニティ向けに「Unlimited Potential」プログラムを発足,82の非営利団体に助成金を授与
米AOLと衛星ラジオの米XM Satellite Radio,インターネット・ラジオ・サービスを共同提供へ

発表資料へ