米NPD Groupは,日本における携帯電話の利用状況について調査した結果を米国時間2月1日に発表した。それによると,日本と米国の携帯電話ユーザーを比べた場合,日本のユーザーは,より高度な機能に興味を示しており,実際に利用している割合も高いという。また11月に導入予定の番号ポータビリティでは半数を超える回答者が事業者の乗り換えを希望していることも明らかにした。

 同社リサーチ・ディレクタのNeil Strother氏は,「日本が米国よりも数年先進んでいる,という意見にはいくつかの根拠があるが,実際にはそれ程単純ではない。日本のユーザーが利用している携帯サービスには,将来的に米国でも同じよう普及すると考えられるものがあるが,米国ユーザーと異なる方法で利用されている場合もある」と説明している。

 日本ユーザーの方が高い頻度で利用している機能は,インターネット・ブラウジング,電子メール,着信音や画像のダウンロードなどだった。その他にも,PDA機能,ゲーム,写真付きメッセージ,デジタル音楽やTVの視聴などが挙げられている。もっとも違いが明らかになったのはインターネット・ブラウジング機能で,日本のユーザーの76%が利用しているのに対し,米国ユーザーは12%だけだった

 現在日本で利用できるが,米国における導入率が低い新しい機能として,バーコード読み取り機能,GPSなどが挙げられている。日本ユーザーの27%がバーコード読み取り機能,26%がGPS機能を利用している。また,FMラジオ受信機能は22%が利用しており,音声録音,アナログTVチューナーは,それぞれ22%と18%のユーザーが利用している。その他にも,16%のユーザーは電子商取引と電子マネー機能を使っている。

 「日本のユーザーは,常に最新技術の動向に目を光らせている。通信事業者は,競争力を維持するために先を争って最新の機能を提供している。この点で,米国市場は多少時差があるが,米国ユーザーも最新の通信機器に影響を受けやすいため,米国内の携帯電話市場も最新機能に対して同じような反応を示すと予想される」(同氏)

 また,日本で11月に導入が予定されている携帯電話の番号ポータビリティ(MNP)について,55%の回答者は,通信事業者の乗り換えを希望していることが明らかになった。同社では,KDDI(au)とNTTドコモが番号ポータビリティによる解約の影響を最も受けにくく,ツーカーとボーダフォンは立場が弱いと予想している。

 NPD社によれば,日本の携帯電話市場は,世界の他の市場と比べて早い段階で最新の携帯技術と機能を導入している。そのため,業界の専門家は携帯電話における動向を理解するためにテスト・ベッドとして注目しているという。

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