スウェーデンのEricssonは,2005年第4四半期と通期の決算を現地時間1月31日に発表した。第4四半期の売上高は457億クローナで,前年同期の394億クローナから16%の増収。純利益は85億クローナ(1株あたり利益は0.54クローナ)で,前年同期の56億クローナ(同0.35クローナ)から52%の増益となった。

 同期の売上高は,4%の減収となった西欧地域を除くすべての地域で増収となった。粗利率は44.2%で,サービスの売り上げが増加したことを受けてわずかに低下した。営業利益率は,21.6%から22.7%に向上している。

 通期でみると,高速モバイル・データ・ネットワークのインフラの供給とサービスの販売が好調で,売上高は前年の1320億クローナから15%増の1518億クローナとなった。純利益は243億クローナで(1株あたり利益は0.54クローナ),前年の175億クローナ(同1.11クローナ)から39%の増益となった。

 地域別にみると,東欧,中東,アフリカ地域の売上高は前年から19%の増収となった。WCDMA/HSDPAの導入が始まった地域もあるが,アフリカと中東地域では携帯通信発展の初期段階にあり,GSMが有力な技術となっている。アジア太平洋地域では10%の増収となった。中国市場は第3世代ネットワークに備えており,CDMAへの需要が低下している。北米では26%の増収となったが,第4四半期だけでみると,前年同期から82%の大きく拡大した。GSMネットワークの配備が進む南米は,通年で前年比32%の増収となった。

 年間を通じて,世界で91のWCDMAネットワークが構築されたが,Ericsson社は,このうちの49のネットワーク・インフラを供給している。WCDMA加入者数は,第4四半期におよそ1300万人増加して4700万人に達した。同年初頭の1600万人からほぼ3倍に増えている。同年,世界の携帯電話加入者数は22億人(加入率34%)で,そのうちの17億人がGSM加入者だった。2010年までに30億人に達すると見込んでいる。

 同社は,2006年における世界の携帯電話システム市場の成長は穏やかになると予想しているが,自社の市場シェアは引き続き拡大するとの見通しを明らかにしている。

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