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 米Red Hatは米国時間1月31日,発展途上国の子供1人ひとりに価格100ドルのLinuxノート・パソコンの提供を目指す取り組みに参加することを発表した。同プロジェクトは,マサチューセッツ工科大学(MIT)のMedia Labと非営利団体One Laptop per Child(OLPC)が共同で進めているもの。Red Hat社は,オペレーティング・システムの開発をリードするとともに,OLPCの企業スポンサとして資金提供も行なう。

 この活動は,MIT Media Labの研究プロジェクトとして始められたもの。同研究所がOLPCを設立し,2005年1月にスイスで開催された世界経済フォーラムにおいて正式に発表された。それ以降,米Google,米Advanced Micro Devices,カナダNortel,台湾Quanta Computerといった企業が参加している。

 前年11月にチュニジアで開催された国連の世界情報社会サミットにおいて,100ドル・ノート・パソコンの最初のプロトタイプの説明が行なわれた。システム構成は,動作周波数500MHzのプロセサ,1Gバイトのメモリー,USBポート,フルカラーのディスプレイなど。OSにはLinuxを採用する。無線ブロードバンド接続に対応し,メッシュ・ネットワークを構築することにより,各パソコンが互いに通信できるようになる。また,手回し発電機能などの利用も検討されている。「大量データの保存に対応していないくらいで,できることは“ファット”クライアントと大差ない」(MIT Media Lab)

 OLPCでは,最低500万台の発注と支払いを受けたら製造にとりかかるとしている。2007年初頭に最初のユニット出荷を目標としている。

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