米Googleは同社検索サービスの中国サイト「Google.cn」の新設について,米国時間1月27日に明らかにした。同サイトでは情報を検閲し,「一部の(政治に関する)デリケートな情報は検索結果から除外する」(同社)。

 同社上級政策顧問のAndrew McLaughlin氏がブログに投稿した記事によると,これまで中国のインターネット・ユーザーがGoogle.comにアクセスしても,非常に遅かったり,止まってしまったりして,「当社が誇れる品質のサービスが提供できなかった。しかし中国にプレゼンスを置いて中国向けのサイトを開設することで,この問題を解決した」(McLaughlin氏)。

 一部情報の除外は,「中国サイトを開設するために必要な判断だった」と同氏は説明。「情報へのアクセスを規制することは,明らかに当社の使命からはずれる行為だ。しかし,世界人口の5分の1に相当する人々にGoogleサービスをいっさい提供しないことの方が深刻だ。検閲付きではあるが,中国サイトの開設は,急速な変化を遂げる国において豊富な機能のWebサイト構築を達成するための第一歩となる」(同氏)

 Google.cnでは,中国の法規に従って情報を除外した場合,その旨をユーザーに明示する。まれなケースではあるが,フランスやドイツ,米国でも同様の措置をとっているという。

 なお,当初はインターネット・メール・サービス「Gmail」やブログ・サービス「Blogger」などは,中国向けに提供しない。

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