米Microsoftと米ワシントン州検事総長のRob McKenna氏はそれぞれ,米Secure Computerがスパイウエア対策ソフト「Spyware Cleaner」を売り込むために詐欺的なスパムなどを用いたとして提訴した。Microsoft社が米国時間1月25日に明らかにしたもの。両者は,Secure Computer社が2005年に施行されたワシントン州法「Washington Computer Spyware Act」に違反したと主張している。

 同法では,コンピュータの所有者や管理者が望まないソフトウエアのインストールを遮断できないようにするプログラムのインストールを禁じている。また,セキュリティやプライバシ確保を名目として特定のソフトウエアが必要であるとの過大広告や,コンピュータの設定の勝手な変更,コンピュータ内の情報を収集して送信するといった行為を違法と定めている。

 Computer Spyware Actに基づく訴訟は「今回が初めて」(Microsoft社)となる。Secure Computer社は,ユーザーを欺く広告内容やスキャン結果で,あたかも同社のSpyware Cleanerが必要であるかのように見せかけたという。

 Microsoft社によると,Secure Computer社はスパイウエアが潜んでいる可能性があるとのポップアップを表示して,スパイウエアのスキャンを無償で提供。ユーザーのコンピュータにスパイウエアが存在しない場合でも,Windowsレジストリ・キーや無害なトラッキング・クッキーなどを高リスクのスパイウエアとして検出し,同社のSpyware Cleanerを売り込んでいた。

 Microsoft社はまた,Secure Computer社が同社の商標を使用して,Spyware CleanerをMicrosoft社公認製品であるかのようにみせかけていたと申し立てている。

 Microsoft社次席法務顧問のNancy Anderson氏は,「McKenna検事総長がワシントン州初のスパイウエア対策法の施行に向けて尽力し,今度は同法を使ってインターネット・ユーザーの保護に努めているのは称賛に値する」と述べている。「当社はスパイウエアやスパム,個人情報の盗難といったサイバー犯罪から消費者を守るために,今後も州検事総長と協力する」(同氏)。

◎関連記事
「『スパイウエア対策ソフト』をかたるスパイウエアが多数確認,ピーク時には200種類以上」---米Symantec
FTC,違法にスパイウエアを配信した米企業を提訴
「私もやられた」ゲイツ氏がスパイウエア対策ソフトの開発を明かす
Microsoft,スパイウエア対策ソフトのベータ版を公開
「企業はスパイウエアの対応に月間13万ドル分のIT時間を費やしている」,米FaceTime
「企業はスパイウエアを懸念するも,対策ソフト導入率は10%未満」,米調査
「過信は禁物,パソコンの80%がスパイウエアに感染」,米調査
「<高度化cするスパイウエア,駆除を試みるとPCをクラッシュさせるものも」──米Webroot

[発表資料へ]