米Motorolaは,第3世代(3G)の無線通信方式UMTS/HSDPAに対応する企業向け高速アクセス・ポイント「Motorola AXPT」を英国時間1月25日に発表した。同製品は,屋内のモバイル機器によるブロードバンド接続の強化を目的としたもの。企業は,建物の中からUMTS/HSDPAネットワークによるデータ・サービスが利用できるようになる。

 AXPTは,携帯通信事業者が屋内でHSDPA規格のモバイル・ブロードバンド・サービスを提供する上で障害となっていた通信範囲と速度の問題を解消するために開発された。既存のUMTSネットワークに追加して利用でき,既存のUMTS/HSDPA機器に対応する。SIM認証,回線交換方式の音声通信,ローミング機能を提供しており,WiFi対応の無線LANアクセス・ポイントに似た方法で導入できるという。

 同社が,世界の通信事業者向けに行なったライブ・デモでは,AXPTを介してUMTS/HSDPA対応機器で電子メール,ビデオ・ストリーミング,音楽ダウンロードといったアプリケーションを同時に動かした。同デモでは,最大3.6Mビット/秒の伝送速度を記録している。

 同製品は,スペインのバルセロナで2月に開催されるトレード・ショウ「3GSM World Congress」においてもデモが予定されている。なお,AXPTは,携帯通信事業者を通じて販売される予定。製品の出荷時期は明らかにされていない。

◎関連記事
米Motorolaが中国に3G開発センターを新設,HSDPA向け技術開発に注力
米Cingular,3Gネットワークを利用するブロードバンド・サービスの提供を開始
米Motorola,LinuxベースのIPTV向けSTBを手がけるスウェーデンKreatelを買収
米Motorola,携帯電話向けラジオ・サービスを次期「Rokr E2」より提供
米Motorola,量産向け携帯電話「C115」の製造拠点をインドへ

発表資料へ