米IBMは,米Time Warner傘下のAmerica Online(AOL)および米Yahoo!と,インスタント・メッセージング(IM)サービスの相互接続性確立に関して協力体制を敷く。3社がそれぞれ米国時間1月23日に明らかにした。IBM社の企業向けIMプラットフォーム「Lotus Sametime」を通じて,各種IMサービスにアクセスできるようにする。

 IBM社はLotus Sametimeの新バージョン「7.5」で,AOL社のIMネットワークおよびYahoo!社のIMサービスへのアクセス機能を提供する。Sametimeユーザーは,「AOL」「AIM」「ICQ」ユーザーおよび米Apple Computerの「iChat」ユーザーや,「Yahoo! Messenger」ユーザーとやりとりすることが可能。

 Sametimeのコンタクト・リストにAOLスクリーン・ネームやICQ番号を追加し,AIMバディ・リストやiChatおよびICQコンタクト・リストにSametimeのIDを加えることで,オンラインに接続しているかどうかのプレゼンス情報を確認できる。Yahoo! Messengerについても同様にコンタクト・リストに追加すればよい。

 Yahoo! Messengerとの相互接続にはSIP/SIMPLE標準プロトコルを採用する。サーバー対サーバー接続を確立し,単一のログインIDで利用できるようにする。

 IBM社Workplace, Portal and Collaboration Products部門バイス・プレジデントのKen Bisconti氏は「AOL社のIMネットワークとの連携により,当社のユーザーは米国だけでなく海外のパートナやベンダー,顧客などと即座に情報をやりとりし,リソースを共有できる」と述べた。また,「Yahoo!社との提携は,両社IMプラットフォームのユーザーに真の価値をもたらし,職場におけるコラボレーションがいっそう向上する」とコメントした。

 Lotus Sametime 7.5は2006年半ばにリリースする予定。セキュリティおよびプライバシ機能を強化し,VoIP機能を備える。クライアント側では「Mac OS X 10.4」とLinuxサポートを追加する。米GoogleのIMサービス「Google Talk」との連携も予定しているという。

◎関連記事
Google TalkでXMPP対応IMサービス間の完全な相互接続性を実現
米Yahoo!と米Microsoft,IMサービスの相互乗り入れで提携
「米国ユーザーの約4割が電子メールよりもIMの方を多く利用する」,米AOL調査
「2005年の世界IM市場は3億1500万ドル規模,2009年には2倍以上に拡大」,米調査
米MSNと英Vodafone,PC-携帯電話間のIMサービスを共同提供へ
米Microsoft,米AOL,米Yahoo!が最大規模のIMネットワーク構築を目指し提携
英Reuters,MSN MessengerやAIMとつながる金融機関向けIMサービスを発表
「米国企業の49%,IM利用に関する社内規定はなし」,英SurfControl

[発表資料(AOL社のプレス・リリース)]
[発表資料(Yahoo!社のプレス・リリース)]
[発表資料(IBM社のプレス・リリース)]