米国電気電子学会(IEEE)は米国時間1月19日に,次世代無線LAN規格「IEEE802.11n」初の草案を承認した。IEEEのタスク・グループ“N”内で投票を実施し,承認が決まったもの。

 IEEE802.11nは,既存の無線LAN規格であるIEEE802.11a/b/gよりも通信速度が速く,最大600Mbpsでデータをやり取りする。そのほかの主な特徴は以下の通り。

・IEEE802.11a/b/gとの相互接続性を維持
・2.4GHz帯または5GHz帯を使用
・20MHzチャネルまたは40MHzチャネルに対応
・1~4本のアンテナを利用した空間多重方式の同時伝送

 草案を承認したことで,IEEEは今後,最終的な規格化に向けて検討を進める。IEEEは「対象とする標準や作業の参加者によって,検討の進み方は異なる」としながらも,「これまで同種の仕様の最終的な承認には1年程度かかった」としている。

 IEEE802.11n草案の策定は,次世代無線LAN推進団体Enhanced Wireless Consortium(EWC)が行った。

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