米Serena Softwareは米国時間1月17日,アジア太平洋地域(APAC)を拠点とする企業のコンプライアンス(法令順守)に関して調査した結果を発表した。それによれば,企業の法令順守においてITの果たす役割りは大きいと考えられおり,2006~2007年にかけて同部門に割り当てられるIT予算が増加するという。

 同調査は,オーストラリア,中国,香港,インド,日本,韓国,シンガポールにおける中規模から大企業の148人のCIOに対して前年10~11月にかけて行なわれた。

 調査の結果,これらの企業にとって近い将来,法令順守は重要な問題になると考えられていることが明らかになった。現在,法令順守プログラムを利用している企業の割合は低いが,2006年は増加するという。プログラムをすでに導入しているとする回答者は21%だけだったが,半数以上(52%)が年内に導入を予定している。

 回答者の88%は法令順守を確保するためにITは重要な役割りを担っていると考えている。4分の3以上は,法令順守への取り組みを優先順位の高いIT目標の1つと考えており,2006年に導入と定期的なメインテナンスを予定している。

 現在,法令順守への取り組みに割り当てられているIT予算は少ない。60%の企業は「総IT予算の5%未満」としている。「同15%以上」は9%だけだった。しかし,27%はこの部門に「同15%以上」を割り当てる予定だという。

 また,70%の企業は,法令順守に対応する規格の導入により,競合会社よりも優位に立てると考えていることが明らかになった。43%は,法令順守が重要であるという理由として,「国外企業との事業/取り引きが可能になる」ことを挙げている。3分の1近くは,「地域の法令には従う義務があるため」と回答している。

 その他にも,回答者の57%は,法令順守に関するITの重要性を考慮すると,CFOとCEOだけでなくCIOにも直接的な責任があると考えていることも分かった。

 同社APAC担当副社長のKC Yee氏は,「調査により,米国や欧州だけでなく,アジア太平洋地域でも法令順守が大きな問題になっていることが明らかになった。法令順守の条件は,同地域の企業に影響を与えており,これに対応するためにITが間違いなく重要な役割りを果たしている」とコメントしている。

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