Free Software Foundation(FSF)は,ソフトウエア・ライセンスGeneral Public License(GPL)の新版「GPL Version 3(v3)」について,草案を公開した。FSFが米国時間1月15日に明らかにしたもの。

 GPLの根本原則について,FSFは「ソフトウエア利用の自由を守ること」と説明する。「GPLは,法的な仕組みとしてコピーレフトを採用した。これにより,GPLの適用されたソフトウエアを改変して作成したソフトウエアにもGPL適用を求めている。コピーレフトは,フリー・ソフトウエアの世界を保護するのに必要不可欠な要素であり,このことは(現行のGPLv2を策定した)1991年と変わっていない」(FSF)。

 ただしFSFは,「フリー・ソフトウエアを取り巻く環境が以前より複雑かつ多様になったため,コピーレフトの効力を最大限発揮させる法的手段を追加する必要がある」としている。

 草案は,FSFのWebサイトに掲載している。

 なお,米メディア(CNET News.com)は,GPLv3では,デジタル著作権管理(DRM)がソフトウエアの自由を制限しないようにすること,フリー・ソフトウエアに対して特許侵害を主張する企業などからソフトウエア使用権をはく奪することなどが新たに定められたと報じている。今後の策定日程は以下の通りという。

・2006年6月:草案第2版
・2006年10月:草案第3版
・2007年1月15日:最終版(ただし,期限は2007年3月に設定している)

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[発表資料掲載ページ]
[GPLv3の草案]