米In-Statは米国時間1月9日,デジタル・ラジオの世界市場に関する調査結果を発表した。それによると,衛星ラジオと地上波ラジオを合わせた世界のデジタル・ラジオ出荷台数は,2004年の約500万台から2009年の2200万台へと急増する見通し。

 In-Stat社は,市場の成長を後押しする要因として,魅力的な新しいコンテンツやデータ・サービスの拡充,デジタル・ラジオ受信機の価格低下,デジタル・ラジオ・プロバイダと車メーカーの提携などを挙げる。

 同社アナリストのStephanie Guza氏は,「米国では衛星ラジオの普及が,英国では地上波ラジオのデジタル化が,市場をけん引している」と説明する。「また,日本や韓国で衛星DMB(Digital Multimedia Broadcasting)サービスが始まり,シンガポール,オーストラリア,台湾で積極的なプロモーションが展開されることが,アジア地域におけるデジタル・ラジオの出荷台数増加に貢献するだろう」(同氏)

 その他の主な調査結果は次の通り。

・米国では2005年末までに,約600のAMおよびFM放送局が「IBOC(In-Band On-Channel)」規格を用いた地上波デジタル放送「HDラジオ」を提供する

・衛星ラジオ・サービスの加入者数は米XM Satellite Radioが600万人以上,米SIRIUSは300万人以上(2005年末時点)

・衛星ラジオ・サービスを利用する理由として最も多いのは「コマーシャルがない」(54%)だった

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