米Texas Instruments(TI)と米国の投資会社であるBain Capital社は,TI社のセンサー&コントローラ事業をBain Capital社に売却することで最終合意に達した。TI社が米国時間1月9日に明らかにしたもの。取引は現金で行う。売却金額は30億ドル。既にTI社の役員会は売却を承認している。手続きは2006年前半に完了する見込み。

 センサー&コントローラ事業は,アプライアンス,エアコン,産業機器,自動装置,照明,航空機といった分野向けの産業用センサーやコントローラを手がける。年間売上高は10億ドル以上。拠点はマサチューセッツ州アトルバロで,米大陸,欧州,アジアに約5400人の従業員がいる。

 同事業の売却について,TI社社長兼CEOのRich Templeton氏は以下のように述べる。「当社は,デジタル信号処理とアナログ半導体という大きく成長する中核事業に注力できるようになる。一方,同事業は(分離することで)将来の成長に必要な投資や戦略的なリソースを自由に利用できるようになる」

 ただし,TI社は無線ICタグ(RFID)システム事業を売却対象に含めていない。別会社となるセンサー&コントローラ事業のトップは,現在の同事業担当社長であるThomas Wroe氏が引き続き務める。

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