米Watchfireは,米GoogleのWebサイト「www.google.com」にクロスサイト・スクリプティング(XSS)攻撃を許すぜい弱性が存在していたと,米国時間12月21日に発表した。Watchfire社は「フィッシング攻撃に使われる恐れがあった」としている。

 このぜい弱性は,www.google.com内のエラー表示Webページを悪用すると,文字コードUTF-7によってエンコードされたスクリプトを実行できてしまうというもの。Watchfire社が11月15日に発見してGoogle社に報告した。Googole社は12月1日に修正を施し,現在は解決済みだ。

 同サイトには,Webアクセス要求をリダイレクトする際に発生したエラーを表示する「Forbidden」(403エラー)ページと,存在しないWebページへのアクセスに対するエラーを表示する「Not Found」(404エラー)ページが用意されている。Watchfire社によると,本来は文字セットのエンコーディングを強制的に指定するべきなのに,両ページでは指定していなかったという。

 Watchfire社は「両ページにはXSS攻撃でよく悪用される『<』『>』『'』といった文字を読み飛ばす仕組みが入っていたにもかかわらず,危険なスクリプトがUTF-7でエンコードされていると処理に失敗する」と指摘した。このためWebブラウザはエラー・ページを表示せず,スクリプトを実行してしまう。

 Google社は,エラーページでエンコーディングを明示的に指定することで,このXSS攻撃を行えないように対処した。

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