「米国の小規模企業は,2006年に技術とマーケティングへの予算拡大を計画している」。カナダのCorelと米Constant Contactが,小規模企業の2006年における事業の展望について共同で調査した結果を現地時間12月20日に発表した。同調査は,およそ600社の従業員50人以下の企業に対しオンラインで実施したもの。

 2005年に業績が上向いたとする報告の中で,50%以上の企業オーナーは,2006年にさらに成長することを見込んでいることが明らかになった。全体的な経済状況や事業におけるエネルギー経費の上昇に対する懸念に反して,調査対象となった企業の大半が前向きな見通しを明らかにしている。

 小規模企業のオーナーは,2006年の成長をけん引する最優先の経営目標として,新規顧客の獲得(44%)と既存の顧客に対する売上増加(20%)を挙げている

 Constant Contact社CEOのGail Goodman氏は,「小規模企業は,成長の見通しに自信を持っており,事業の主要部門における支出の拡大を計画している。米国の小規模企業は,同国経済の健全性に対して大きな役割りを果たしているため,この結果は2006年に引き続き経済が成長することを予測させるものとなった」とコメントしている。

 調査の結果,小規模企業は2006年に技術とマーケティングへの支出増大を予定していることが明らかになった。回答者の61%は,マーケティングへの投資増額を予定しており,51%は技術に対する投資の増大を予定している。

 技術部門の中では,通信ツール(40%)が事業成長にもっとも大きな影響を与えるとしており,マーケティング,ソフトウエア,サービス,コンピュータ・ハードウエアが続いた。事業拡大のために広く採用している販売活動としては,広報活動,電子メール・マーケティング,Webマーケティングが挙げられている。

 回答者は,マーティング用資料を作成するソフトウエアやサービスを利用する場合,製品の機能やブランド名よりも価値と使い易さをもっとも重要な要素として挙げている。ほぼ半数は,より専門的なカタログにより売り上げ増加が促進されると回答している。

 Corel社は,「小規模企業は,長期的な経済成長に向けた技術の重要性を認識しており,導入する技術の支出とマーケティング技術に対する評価方法に対する知識も深めている」とコメントしている。

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