「私はすべての株主と同様に,米Time WarnerがAmerica Online(AOL)の長期的価値につながる取引をするなら異論はない。しかし,Time Warner社役員会が破滅的な決断をしようとしているのではないかと深く案じている」。投資家のCarl Icahn氏は米国時間12月19日に,Time Warner社役員会に宛てた公開書簡の内容を明らかにした。Time Warner社がAOL社株式の5%を10億ドルで米Googleに売却するとの報道(NYTimes.com)を受けて書いたもの。

 Icahn氏は,Google社との取引がなんらかの点で困難を引き起こす可能性があり,「米IAC/InterActive,米eBay,米Yahoo!,米Microsoftといった企業との合併などの取引の可能性を事実上排除することになる」と警告している。同氏の考えでは,将来これら企業と手を組むことが,Time Warner社の価値を高められるチャンスが大きいという。「果たしてGoogle社は最良のパートナだろうか」と同氏は疑問を投げかけ,「AOL社の価値を最も増進するのはeBay社,次いでInterActive社。この2社はYahoo!社より利益相反が小さい。MSN(Microsoft社)とGoogle社による利益促進は最も低い」とする米Goldman Sachsの分析を引用した。

 上記の米メディアによると,Time Warner社は12月15日の夜にGoogle社およびMicrosoft社と個別に協議し,従来よりAOL社に検索エンジンを提供しているGoogle社と提携することを決定。Microsoft社には17日の朝にその旨を伝えたという。ちなみに各社株価の16日の終値は,Time Warner社が18ドル(0.34ドル高),Google社が430.15ドル(20.95ドル高),Microsoft社は26.90ドル(0.81ドル安)。

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