米AMDの日本法人である日本AMDが米Intelの日本法人インテルを相手取って起こしている独占禁止法違反の裁判で,東京地方裁判所は公正取引委員会に対してインテルの違反行為に関連する資料の提出を命じることを決定した。AMD社が12月16日に明らかにしたもの。

 公取委は今年3月8日に,インテルに対し,パソコン用CPU販売における独占禁止法違反で排除勧告を行い,インテルは違反行為の事実を否認しながらも,4月にこれを応諾した(関連記事)。これを受けて日本AMDは,「インテルの商行為によって,公正で自由な競争が阻害され販売機会を逸した」として,総額5500万ドル(約60億円)の損害賠償を求める訴訟を6月30日に起こした(関連記事)。

 日本AMDは,インテルが公取委の勧告を応諾しておきながら,損害賠償請求訴訟で違反行為を否認するのは「明らかな矛盾」と主張し,公取委の資料提出を求める申し立てを行っていた。東京地裁は口頭弁論の結果,公取委が1年にわたる調査で収集したインテルの違反行為に関する証拠資料を2006年3月16日までに提出するよう求めることを決定した。

 AMD社法務担当執行バイス・プレジデント兼最高総務責任者のThomas M. McCoy氏は,「東京地裁の決定は,インテルの独占的地位の乱用に関する事実がまもなく白日のもとにさらされるというメッセージだ」と述べた。

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