米Forgent Networksと同社子会社の米Compression Labs(CLI)は米国時間12月15日に,データ圧縮技術Joint Photographic Experts Group(JPEG)に関する特許技術のライセンス契約を米Yahoo!と結んだことを発表した。詳細な条件については明らかにしていない。

 Yahoo!社にライセンス供与する特許は,米国特許番号「4,698,672」,タイトル「Coding system for reducing redundancy」。1986年10月27日に申請し,1987年10月6日に成立した。46件のクレームから成る。制限のあるバンド幅で画像を伝送するための信号圧縮手法と仕組みに関するもの。

 もとはCLIの特許だが,Forgent社が1997年にCLIを買収。Forgent社は同特許成立から長年経った約1年半前から積極的に特許を主張し始め,電子画像の作成や配信を行っている企業を相手取った訴訟を起こしている。2004年4月に米IBMや米Apple Computerなど31社を一斉提訴し,続いて8月にYahoo!社を含む11社を訴えた。今年4月には米Microsoftも(提訴)し,係争中の企業は約40社にのぼる。なお今回のライセンス契約締結によりYahoo!社に対する訴訟は取り下げられたと,米メディア(internetnews)は報じている。

 Forgent社によると,提訴後にライセンス契約に応じた企業は7社。同社はアジアおよび欧米の50社以上に672特許をライセンス供与しており,知的資産をもとにライセンス料を徴収するプログラムでは10億500万ドル以上の収入を得ているという。

 ちなみに同特許に関しては,11月に特許監視団体のPublic Patent Foundation(PUBPAT)が米特許商標局(USPTO)に再審査を要請。CLIの特許に先行した技術を提示し,「先行技術の存在により672特許が無効になるはずだ」(PUBPAT)と指摘している。

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