米Adobe Systemsが米国時間12月15日,2005会計年度第4四半期(2005年9~11月期)と同会計年度通期(2004年12月~2005年11月)の決算を発表した。売上高は前年同期比19%増の5億1040万ドルで,過去最高となった。前年同期は4億2950万ドル,前期は4億8700万ドルだった。会計原則(GAAP)ベースの純利益は1億5630万ドル(希薄化後の1株当たり利益は31セント)で,前年同期の1億1350万ドル(同23セント)と前期の1億4490万ドル(同29セント)から成長した。

 なおAdobe社は,当期の売上高を4億9000万~5億1000万ドルの範囲と予測していた。

 GAAPおよび非GAAPベースの営業利益は,当期が1億9190万ドル(営業利益率は37.6%),前年同期が1億4640万ドル(同34.1%),前期が1億8360万ドル(同37.7%)だった。

 2005年会計年度通期(2004年12月~2005年11月)の売上高は過去最高の19億6600万ドルで,前年度の16億6700万ドルから18%増加した。また,GAAPベースの純利益は6億280万ドル(希薄化後の1株当たり利益は1ドル19セント)。前年の4億5040万ドルから34%増となった。

 Adobe社CEOのBruce R. Chizen氏は,「2005年は通期の売上高が18%も伸び,過去最高の売上高を達成するなど,素晴らしい1年になった」と述べる。「また,強力なプラットフォームの提供という戦略に向けて米Macromediaの買収も完了し,今後の加速的な成長が期待できる。より広範な消費者ニーズに応えながら,モバイル分野や企業分野など,新たな市場への参入を目指したい」(同氏)

 また同社は,2006会計年度第1四半期(2005年12月~2006年2月)の売上高を6億3000万~6億6000万ドルの範囲,GAAPベースの1株当たり利益13~16セントの範囲と予測する。2006会計年度通期は売上高が27億ドル,GAAPベースの1株当たり利益が74~82セントの範囲とみる。

 同社はさらに,人事に関する発表も行った。同社で約10年間勤務したCFOのMurray Demo氏が2006年3月末をもって退社する。また,米BEA Systemsでアジア太平洋地域担当上級副社長を務めていたGarrett Ilg氏が,アドビ システムズの社長に就任する。

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