米Gartnerは,無線ICタグ(RFID)に関する調査結果を米国時間12月13日に発表した。それによれば,2005年における世界のRFID市場の支出は,前年から39%増の5億400万ドルに拡大し,2006年下旬から2007年においてRFIDハードウエアとソフトウエアに対する支出が急増すると予測している。

 RFIDは,2006年末までにより幅広い業界において導入が進み,2006年の新規ライセンス売上高は7億5100万ドルに達すると同社は予測している。また,同市場の売上高は2010年までに30億ドルを超えるとしている。

 Gartner社調査担当副社長のJeff Woods氏は,「バーコードが流通センターで広く利用されているからといって,RFIDも同じ道をたどるわけではない。企業は,バーコードが利用できない所におけるビジネス価値を見出し始めているため,RFIDの促進力となるだろう」とコメントしている。

 また,同技術の導入事例が公開され,2006~2007年には一般的な消費者向け製品や小売業だけでなく,新しい分野でも幅広く導入が進むと同氏は予想している。

 同氏は,RFIDタグがバーコードの置き換えではなく,2つは共存する技術だとする考えを明らかにしている。バーコードが倉庫などの体系化された状況におけるデータ収集で優れているが,RFIDタグはモバイル資産や小売店,病院といった体系化されてい環境のプロセスにおいて有用であると説明している。

 同社によれば,RFID技術は医療,物流,製薬業界において導入が早期に進むとともに,小売り,航空宇宙産業,防衛の分野においても大きな可能性があるという。

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