オランダのRoyal Philips Electronicsは,米国市場をターゲットとしてチューナと復調機能の両方を備えるモバイルTV向けチップセット「BGT211」を現地時間12月12日に発表した。。同社によれば,同チップセットにはデジタルTV受信機フロントエンド部に必要とされるすべての機能が搭載されているという。

 BGT211は,欧州の地上波デジタル・テレビ放送標準化団体Digital Video Broadcastが提供する標準規格「Multimedia Home Platform(DVB-MHP)」に準拠し,「Digital Video Broadcast - Handheld(DVB-H)」と「Digital Video Broadcast - Terrestrial(DVB-T)」もサポートする。

 同社は3カ月前,欧州向けにTVチューナ,デコーダ,周辺部品で構成されるチップセットを発表している。大手携帯電話メーカー6社中,3社が同チップセットを搭載する携帯電話機の試作品に取り組んでいるという。同社によれば,このチップは,対応周波数以外は米国向けチップと同じ構成となっている。

 現在BGT211は,世界の携帯電話メーカーと小型携帯テレビ・メーカーにサンプル出荷されている。

 また,同社は米国において携帯電話向けテレビを普及させるために,米Crown Castle Mobile Mediaといった無線通信事業者とも協調していることも明らかにした。Crown Castle社は,2006年にモバイルTV放送の提供を予定しているという。

 米ABI Researchの調査によれば,2010年までに米国において少なくとも1000万人の携帯電話ユーザーがモバイル・マルチメディア・エンタテイメントを利用するようになると予想している。

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