米comScore Networksは,クレジット・カード口座のオンライン・サービスに関する調査結果を米国時間12月8日に発表した。それによれば,2005年3月までの1年間において,定期的にこれらのサービスを利用している消費者の数は,前年同期から28%増加しているという。

 消費者は,これらのサービスを通じて,オンラインでの残高や取り引きの確認,クレジット・カード請求の支払い,公共料金の支払いといった手続きを行なっている。

 調査により,これらのサービスを利用する消費者は,オンラインでの支出額の割合が他の消費者よりも大きいことが明らかになった。オンライン人口の21%を占めるこのグループの支出額は,オンライン支出全体の43%を占めている。同グループの世帯所得は,平均的なインターネット・ユーザーよりも高く,50万ドル以上が64%だった。これに対し,これらのサービスを利用しない世帯で所得が50万ドルを超えるのは57%だった。

 同グループは,カード発行会社のWebサイトを訪問する頻度が高く,これらのサイトでより多くの時間を費やしている。調査対象期間において,訪問者数は45%増加し,1人あたりの訪問時間も31%増えている。また,カード発行会社に対する満足度は,従来の方法で口座の管理を行なっている消費者よりも高い。発行会社のWebサイトに登録したクレジット・カード保有者の70%以上がカード発行会社に満足しているという。また,64%は発行会社のWebサイトを友人に勧めたいとしている。

 同社によれば,オンライン・サービスの普及により,カード発行会社はより経費がかかる顧客向けサービス・オプションを縮小できるという。クレジット・カードの残高を見るためにWebサイトにログインするユーザーは,これまで顧客サービスを通じて行なってきた手続きをセルフサービスで行なう可能性が高いためだ。たとえば,これらのユーザーは,クレジット・カードの使用者の追加,利用上限額の増額,振り込みなどをオンラインで行なう可能性が高い。住所変更がオンラインで行なわれる可能性も5倍高くなっている。

 同社クレジット・カード部門担当副社長のNick Tabbal氏は,「オンライン・サービスの普及は経費削減につながるため,カード発行会社にとって好ましい傾向である」とコメントしている。同氏は,オンラインで提供している幅広い口座管理機能に関する消費者の認識を高め,普及促進に取り組むように勧めている。

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