携帯電話事業者の英Virgin Mobileは英国時間12月8日,ケーブル・テレビ大手の英ntlから提案された合併案に関して,同社役員会が満場一致でこの申し出を拒否する決定を下したことを明らかにした。

 今回の発表によれば,役員会は「すべての株主にもたらされる価値を最大限にするために注意深くこの合併案の可能性を検討し,当社の大口株主と相談した。役員会では,この合併案がVirgin Mobile社の価値を実質的に過小評価するものだという結論に至った」としている。

 ntl社は同月5日,Virgin Mobile社株式1株に対して,ntl社の株式0.09298株との交換か,現金3.23ポンド(約5.63ドル)の支払いを提案していることを発表していた。英国で5番目に大きいVirgin Mobileを合併することにより,「テレビ,インターネット,固定電話サービスに,携帯電話サービスを加えてVirginブランドで提供したい」という意向も明らかにしていた。

 ntl社の5日の発表によると,Virgin Mobile社の株式72%を保有する英Virgin Groupは,事業合併を行う場合は株式交換を選択すると口頭で述べたが,対価の一部を現金で受け取る権利も留保したとしている。今回のVirgin Mobile社の発表によれば,Virgin Groupの代表は,合併案が検討された役員会を欠席しているという。

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