英Sophosは,2005年におけるコンピュータ・ウイルスなどの被害状況に関する調査結果を米国時間12月6日に発表した。それによれば,同年Sophos社が検出した新ウイルス/ワームの数は1万5907種類。前年と比べて48%増加していることが明らかになった。
もっとも大きな被害を及ぼしたのは「Zafi-D」ワームだった。前年猛威を振るった「Netsky-P」ウイルスは2位に落ちた。11月に見つかったばかりの「Sober-Z」は,すでに3位に上昇している。同レポートの統計結果によると,同年流通した電子メールの44通中の1件がウイルス・メールだった。
■2005年のウイルス被害ワースト10 ================================================ 順位 名称 割合 初めて検出された月 ------------------------------------------------ 1 Zafi-D 16.7% 2004年12月 2 Netsky-P 15.7% 2004年3月 3 Sober-Z 6.0% 2005年12月 4 Sober-N 4.3% 2005年5月 5 Zafi-B 4.0% 2004年6月 6 Mytob-BE 3.9% 2005年6月 7 Mytob-AS 3.8% 2005年5月 8 Netsky-D 3.0% 2004年3月 9 Mytob-GH 1.9% 2005年10月 10 Mytob-EP 1.8% 2005年6月 - その他 38.9% ================================================ 出典:Sophos社同社シニア技術コンサルタントのGraham Cluley氏は,「新しいウイルスの急増は,利益を得ようとする犯罪者によるトロイの木馬,ワーム,ウイルスの作成に対する興味が増しているため」と説明している。
ワースト10のリストに登場したウイルスは,すべてWindowsベースのワームだったが,2005年に作成されたトロイの木馬の数は2対1でワームの数を上回っている。また,スパイウエアを含むコンポーネントの割合は,1月の54.2%が同年末には66.4%まで上昇している。同社によれば,この結果は悪質なプログラムの作者が,広範囲を対象とした攻撃よりも的を絞った攻撃を仕掛けていることを示しているという。
同社によれば,無防備なコンピュータがインターネットに接続後,10分以内にワームに感染してリモートのハッカーに乗っ取られる可能性は40%だという。
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