米AMDと米IBMは,シリコン/絶縁膜構造(SOI)ウエーハ上でストレインド・シリコン(Si)技術「Dual Stress Liner(DSL)」「Stress Memorization Technology(SMT)」と,「embedded Silicon Germanium(e-SiGe)」を組み合わせてトランジスタを作ることに成功した。両社が米国時間12月6日に明らかにしたもの。ストレインドSi技術を使わないトランジスタに比べ処理速度が40%向上すると同時に,消費電力と発熱の制御が可能という。
両社はこの成果を,ワシントンD.C.で開催中のInternational Electron Devices Meeting(IEDM)2005で発表した。
両社の開発した新しいプロセス技術は低誘電率(low-k)絶縁膜を使用し,LSIの内部配線による遅延を低減させる。その結果,全体的な処理性能向上と低消費電力化が実現するという。両社は「同プロセス技術が65nmルールの製造プロセスだけでなく,将来のより微細なプロセスにも適用可能」としている。
なお米メディア(InfoWorld)は,AMD社がこの製造プロセス技術をまずドイツのドレスデンにある半導体工場Fab 30で90nm版LSIに適用し,2006年には隣接する65nm対応工場Fab 36に導入すると伝えている。
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