P2Pファイル交換ソフト「Kazaa」の開発元であるオーストラリアのSharman Networksは,オーストラリア国内のユーザーがKazaaソフトをダウンロードできないようにした。同社が現地時間12月6日に明らかにしたもの。オーストラリアの連邦裁判所が9月5日に同社に対し,著作権侵害を認定する判決を下したことを受けた措置である。

 Murray Wilcox判事は,レコード業界がKazaaを著作権侵害で訴えていた裁判において,著作権侵害を認定する判決を下し(関連記事),合法的なファイルしか交換できないように,12月5日までに適切なフィルタを実装するように求めていた。

 Sharman Networks社は,「Wilcox判事の判決は,当社の控訴審が行われる2006年2月まで,当社の運営を認めるもの」とし,フィルタを実装する代わりに,地域特定技術を使ってオーストラリア国内における同ソフトの配布を停止した。また既存ユーザーがソフトを起動すると,使用停止を求める警告を表示する。

 一方,オーストラリアのレコード業界団体ARIA(Australian Recording Industry Association)は同日,「12月5日までにフィルタを実装しないのであれば,サイトは閉鎖されるべき」と述べ,Sharman Networks社の措置に不満を表している。

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