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 英Plastic Logicは,10インチのアクティブ・マトリクス方式の電子ペーパー・ディスプレイを開発した。同社が日本時間12月5日に明らかにした。同ディスプレイは,同社のアクティブ・マトリクス方式のバックプレーンと米E Inkの電子ペーパー「E Ink Imaging Film」で構成される。香川県高松市で同月6~9日に開催される第12回「International Displays Workshop」において紹介される。フレキシブル・ディスプレイとしては「世界最大」(同社)という。

 同ディスプレイは,表示画素数が800×600ドットのSVGA型で解像度は100dpi。4階調(グレースケール)に対応する。E Ink Imaging Filmを重ねた場合の厚さは0.4ミリ未満。バックプレーン基盤は,DuPont Teijin Filmsが供給するポリエチレンテレフタレート(PET)で作られているため,薄型ガラスやスチール・フォイルよりも柔軟で処理も容易になっているという。

 E Ink Imaging Filmは,紙に印刷したように見える電気泳動ディスプレイの材料で,紙のような電子ディスプレイ向けに設計されており,曲げたり丸めたりできる。同フィルムは,イメージをアップデートするときだけ電力を消費するという。

 同社事業開発担当副社長のSimon Jones氏は,「ラップトップ・スクリーンのようなガラスをベースとするアクティブ・マトリクス方式のディスプレイは,重く割れやすいためにモバイル機器や小売業向けディスプレイの多くの用途に対応できない。これらの市場では,大型で薄く壊れないスクリーンの需要が高くなっている」とコメントしている。

 「プラスチック上にトランジスタをプリントするという当社のアプローチは,この市場ニーズに見合う初の商用ソリューションとなる。ディスプレイの柔軟性により,圧力センサーをスクリーンの下に設置して,ディスプレイの光学性能を低下させること無くタッチスクリーンを実装することができる。当社の薄型で柔軟なプラスチック・ディスプレイが,製品革新の波を引き起こすだろう」(同氏)

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