米RSA Securityは米国時間12月5日に,オンライン・セキュリティ・ベンダーの米Cyotaを買収することで両社が最終合意に達したと発表した。買収総額は約1億4500万ドルで,取引は30日以内に完了する予定。

 Cyota社はニューヨークシティに本社を置く未公開企業。世界各地の金融機関に,オンライン・セキュリティおよび不正行為防止技術を提供している。RSA社はCyota社買収により,2006年に約2200万~2500万ドルの増収を期待しており,2006年後半に利益増の成果があらわれると見込んでいる。

 RSA社は新製品とサービスを加えることで自社のポートフォリオを補強し,認証分野における地位拡大を図る。リスク・ベースのレイヤー型認証手法を取り入れ,「顧客が重視するリスクや利便性に応じて,透かし,異常検出,デジタル認証,トークン,スマート・カードといったさまざまな技術から選択できるようにする」(RSA社)。

 またRSA社は,カナダのバンクーバー,カリフォルニア州サンマテオ,ニューヨーク州ニューヨークシティのエンジニアリング・スタッフ約120人を,マサチューセッツ州ベッドフォードまたはインドあるいはオーストラリアのブリスベンに移管するリストラ計画も明らかにした。段階的に実施し,2006年12月に完了する。これにより,年間400万~600万ドルの費用削減を見込む。

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